「過去最高にブラックカルチャーを感じるディズニー映画!」:『グーフィー・ムービー ホリデーは最高!!』と「ブラックネスの描写」の制作
ディズニー映画は常に独自の方法を使って流行を取り入れ、理解し、収益を上げてきた。『グーフィー・ムービー ホリデーは最高!!』(AGM)は1995年に劇場公開されてから、熱狂的ファンの心を魅了し続けてきた。ファン層の中心にいるのが黒人のミレニアル世代で、劇中のR&Bのサウンドトラックや物語に親しみを感じたことからこの映画に敬意を示している。しかし、映画内での黒人の描写は黒人ファンの読み方が可能になる様子ほど面白いものではないだろう。黒人が暮らす世界の本質に意図的に働きかける映画を制作する場合、その構成要素とはなんだろうか。AGMは人種を描写せずにブラックネス(黒人らしさや黒人であることの意)を表現した。テクニカル・パフォーマーとしてのAGMのアニメーター、アメリカアニメーションの背後にある暗い歴史、そして、いかにブラックミュージックが黒人らしさを知らしめるだけでなく信頼させたかを考えることは、マイケル・ジレスピーが著書『Film Blackness: American Cinema and the Idea of Black Film(ブラックネスの描写:アメリカン・シネマとブラック・フィルムという思考)』(2016)において用いた「ブラックネスの描写」を具体化するものである。