近代の中国アニメーションを動かすクラウドファンディング
本研究は、近代の中国アニメーション映画のためのオンラインで行われる資金調達の形態および実践を考察するものである。アニメーション映画業界によるクラウドファンディングの活用と近年公開された映画である『十万个冷笑話』(One Hundred Thousand Bad Jokes、2014年)、『Monkey King ヒーロー・イズ・バック』(2015年)、『紅き大魚の伝説』(2016年)の3作の分析に焦点を当てる。これらの映画は、興行収入の高さ、類い稀ない芸術性・独創性、そして次世代の想像力を掻き立てる強い影響力を考慮して選ばれたものである。著者らは探索的および記述的調査方法を用いて、クラウドファンディングによるアニメーション映画制作にみられる主な特徴を明らかにする。調査結果によれば、制作側はファンベースを築くためのプロモーション戦略、および各プロジェクトに対する関心が広がるような人々の積極的な関わりという副次的効果を目的として、クラウドファンディングを利用していることが明らかになった。