ダークナイトのリメイク:スーパーヒーロー、アニメーション、そして『レゴバットマン・ザ・ムービー』の評価
本稿では、長年にわたりマルチメディアで語られてきたバットマンの歴史における『レゴバットマン・ザ・ムービー』(クリス・マッケイ、2017年)の評価について考察する。ここでは多様かつ数々のプラットフォームで語られる物語、そして本作品がいかに超テクスト性を通してノスタルジアに訴えかけているかに着目する。映画評論家による『レゴバットマン・ザ・ムービー』の賞賛と、それ以前に公開された実写映画『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』(ザック・スナイダー、2016年)の酷評は、アニメーションが持つ文化的価値、興行的に成功を収めたスーパーヒーロー映画というさらに大きなサイクル、道徳・マーチャンダイジング、商業主義をめぐる複雑な議論を勃発させた。よって本稿では、評論家がアメリカ大衆文化の一つを代表すると考えるアニメーションにおける子供中心の物語に対する明らかな適合性という疑問に取り組む。