デリダ、ドゥルーズ、そして一羽のアヒル――コミック・ブックの分析における循環的微分の運動
コミック・ブックという「不思議で珍しい」メディアにおける「コマとコマの間の秘密」に関する探索は、物語的な冒険へのアピールを呼び起こす(未知の領域の隠された宝物を探しにいくクエストである)。しかしコミック・ブックの分析が、同メディア内の隠ぺいされた存在の「正確な位置」を、宝地図で隠されたものを見つける「x」マークのように示してくれる印を見つける探索によって消尽される時、学術的な宝探しの言語中心的な形式は、その探索の過程が、隠ぺいされた存在に向かって進む線型的なクエスト以外の何ものかであることを許さないのか?本稿で筆者はドゥルーズの構造外的な対象=xをコミック・ブックにおける意味の構造化に適用する。筆者は、この第三のものを、デリダ的・ドゥルーズ的思考における「還元不可能な差異」へ寄託し、さらにコミック・ブックというメディアの異なる読み方を提案する。これは形式的構造をアポリア的に読み取ることを通して、閉塞を避けようとする試みである。