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フライシャー兄弟のロトスコープに関する試論―抑圧される黒人身体―

フライシャー兄弟の短編アニメーション、「ベティ・ブープ」シリーズのいくつかでは、同時代において最も有名なジャズ・パフォーマーの一人であったキャブ・キャロウェイが呼び物となっている。これらの映画では、興味深いことにキャロウェイ自身は決してスクリーンに姿を見せないにもかかわらず、彼と類似しないアニメーションのキャラクターが、彼の身体の動きと歌声を代わりに引き受けている。しかし、彼の特徴的な身体の動きと声のリアリスティックな再現が正確に現れるために、観客はこの虚構のキャラクターの背後にキャロウェイの存在を容易に認識できるのだ。本稿は、この映画におけるキャロウェイの奇妙な表現について、それを生産するロトスコープという装置に注目し考察する。ロトスコープの生み出す動きがしばしば結びつけられてきた、その不気味な性質から考えることで、この考察は二重のものとなる。この考察はまず、ロトスコープ映像の動きにおける不気味さがどこから来るのかを位置づけ、さらに、フライシャーがなぜキャロウェイをそれらの映画において取り上げたのかについて問うことを企図する。フロイトの「不気味なもの」の概念を参照することで、本稿はロトスコープという装置に通底する抑圧の構造と、それによって生じるキャロウェイの黒人身体の専有性を検討する。

  • タイトル(英語)
A Thought on the Fleischer Brothers’ Rotoscope: the Problem of the Racial Repression of the Black Body.
  • 発表年
2017年
  • 著者
  • 関連作家
  • 関連作品
  • 掲載誌
アニメーション研究
  • 掲載誌巻号
18(2)
  • 掲載誌ページ
13-23
  • キーワード

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