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「アニメーション美学を知るための10の基本文献」アンケートに対する回答

ジョルジュ・シフィアノス

「基本」というものが何かを言うのは難しい(私にとって? 皆にとって? 現在? それともオールタイム?)。「基本」が何かというのは文脈によって決定されるわけだし、すべての文脈は同じではない。私は常に、違うソースから採ってきたアイデアを組み合わせてきた。「アニメーションに直接関係する文献でなくてもよい」という注意書きがあったので、私個人がお気に入りで、私におって参照すべきと思われた本も含めている。

バウハウスに関する著作

パウル・クレー、ヨハネス・イッテン…

Theodor Adorno, Aesthetic Theory, University of Minnesota Press, 1998

この理論において、アドルノはこのアンケートの質問に直接的に答えることができないのか、説明している! 評価はすべて、文脈や、評価が行われる対象に拠って変わるのだ(つまり、我々が評価を行う対象の背後にある社会的、歴史的、文化的な文脈である)。彼はこれを「否定弁証法」と呼び、「否定美学」へと適用している。もしくは、マクラレンは「コマのあいだに起こることは、コマの上にあるものよりも重要だ」と言っていたことが参考になる。

ジョルジュ・シフィアノス
アニメーション作家、教授

ジョルジュ・シフィアノスはアニメーション作家かつ教授である。1952年、ギリシャ生まれ。自身が1995年にアニメーション学科を立ち上げたパリのENSADにて教鞭をとる。フランス以外でも様々な国でレクチャーを行っている。1998年、哲学で博士号を取得。とりわけ認知科学にかかわる部分にて、美学および映画形式の革新に興味を持っている。著書"Aesthetics of Animation Cinema"は2014年、Society for Animation Studiesにて2014年のBest academic book賞を受賞。

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