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アニメーション・ドキュメンタリーを知るための10の文献

ベラ・ホーネス・ロウ

アニメーション・ドキュメンタリーについて(アニメーションや映画、ドキュメンタリーの研究者によって)文章が書かれはじめたのは1990年代後半のことである。それらの多くは、アニメーション・ドキュメンタリーというものの存在自体に注意を向け、ドキュメンタリーとは何かということについてこれまで存在していた考え方に対し、どのようにフィットするかについて議論するものだった。その後10年が経ち、学者たちが再びアニメーション・ドキュメンタリーに興味を持ちはじめ、この題材についての本、記事、記述は増大した。将来、アニメーション・ドキュメンタリーをめぐる言説が新たな観点によって発展していく兆しであることを願うばかりである

Animation: An Interdisciplinary Journal, Vol.6 (3)

学術雑誌においてアニメーション・ドキュメンタリーに対して広範な注意が注がれたのはこれが初めてである。様々かつ多彩なトピックについての偉大なる記事が多く揃い、この特別号の編者ジェフリー・スコラーによるイントロダクションには本当に有益な情報が入っている。

Annabelle Honess Roe, Animated Documentary, Palgrave Macmillan, 2013

書籍全体にわたってアニメーション・ドキュメンタリーについて取り上げた(現在に至るまでの)最初の本。アニメーションをドキュメンタリーにおける「表象の戦略」として考えることで、実写のドキュメンタリーではなしえないことをアニメーションがなしえているということを示唆している。アニメーション・ドキュメンタリーの様々なタイプを眺め、ドキュメンタリーが私たちに見せうる範囲を、アニメーションは広げ、深めるということを最終的には議論している。

ベラ・ホーネス・ロウ

ベラ・ホーネス・ロウはアニメーション・ドキュメンタリーについて広範な研究を行っている。その成果のなかには、ソサエティ・フォー・アニメーション・ドキュメンタリーの「マクラレン=ランバート(最優秀書籍)賞」を受賞した2013年のAnimated Documentaryが含まれる。イギリスのドキュメンタリーやジャンル映画についても、出版を行っている。イギリスのサリー大学フィルム・スタディーズ学科のプログラム・ディレクターであり、上級講師。