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世界アニメーション史を知るための10の文献

ジャンアルベルト・ベンダッツィ

Giannalberto Bendazzi, Animation – A World History, CRC Press, 2016

この三巻本の研究書は、この種のものとしては最も規模が大きく、同時に深く、最も包括的なものであり、アニメーションは学術研究に値する芸術形態であるという考えに基づいている。ロシア、アフリカ、南米、その他しばしば看過される地域について、さらにはそれまで発見されずにいた50名を超える作家たちについて、読者たちに垣間見せる。直接の取材による話、これまで調査されていなかったトピック、他では読めない情報に溢れたこの本は、3つの世紀にまたがるアニメーション制作の歴史について、すべての大陸を網羅する。英語。

Giannalberto Bendazzi, L’uomo che anticipò Disney, Tunuè, 2007

1917年、アルゼンチンのキリーノ・クリスティアーニはブエノスアイレスで世界初の長編アニメーション『使徒』を監督した。1931年のPeludópolis (The City of El Peludo)は初めてのトーキーによる長編だった。このモノグラフでは、クリスティアーニの人生と作品が深く取り上げられる。

Giannalberto Bendazzi, “The Italians Who Invented the Drawn on Film Technique,” Animation Journal, 1996

ペインティング・オン・フィルムの技法(レン・ライ、ノーマン・マクラレン、ロバート・ミラー、ベーベル・ノイバウアーなどの巨匠が用いている)の誕生は、何十年ものあいだ、「誰かがあるときこう言った」というボンヤリとした状態にあった。この論文においてジャンアルベルト・ベンダッツィは、その創始者が1911年のイタリア人のアルナルド&ブルーノ・ジャニーニ=コラディーニ兄弟であることを証明する。英語。

Robert Benayoun, Le dessin animé après Disney, Jean-Jacques Pauvert, 1961

フランスの映画批評家・作家のロベルト・ベナユンはシュルレアリストであり、あらゆる場所にシュルレアリスムを探そうとした。この前提からすると、彼はもちろんディズニーを嫌い、テックス・アヴェリーを愛した。彼の立脚点は疑問だが、本の主旨は一貫しており、「作家」「個人」「アンチディズニー」の文化運動の最中に書かれている。フランス語。

Henry T. Sampson, That’s Enough, Folks, The Scarecrow Press, 1998

ドクター・サンプソンは核工学で博士号を取得したアフリカ系アメリカ人で、この本を書いた頃には航空宇宙企業で上級技師をしていた。予想されるとおり、この本からは知性と公平さが滲み出ており、ハリウッドアニメーション黄金期において広く見られた人種差別主義的な人種コメディの無数の問題を輝かしく議論する。

Denys Chevalier, J’aime le dessin animé, Denoël, 1962.

デニス・キャヴァリアはピカソを愛する視覚芸術批評家で、その前提からすると当然だが、ディズニーを嫌いUPAを愛した。彼の立脚点は疑問だが、この本はその視点で一貫しており、「作家」「個人」のアンチディズニー」の文化運動の最中に出版された。

Paul Wells, Animation – Genre and Authorship, Wallflower, 2002

アニメーションについては、一般人のみならず専門家もさまざまな見解を持っていたが(あるいはいまだに持っているが)、そのすべてが相当に混乱している。本書はそのゴミくずを払いのける。ただし、じゅうぶんにではないのだが。著者のポール・ウェルズはイギリス人の教授で、多くの優れた本を書いている。この本において彼は制作の様式や工作的な部分の秘密へと入り込み、最終的には、実写映画が視覚文化の最も主要かつ純粋な芸術であるという考えに疑問を投げかける。

ジャンアルベルト・ベンダッツィ
映画史家

ジャンアルベルト・ベンダッツィはイタリアの映画史家で、過去、ミラノ大学、グリフィス大学、南洋理工大学で教鞭をとっている。Animation – A World History(3巻本、1,456ページ、Taylor and Francis, ISBN 113894307X, 9781138943070)はベンダッツィによる古典的研究書で数多くの言語で翻訳されたCartoonsの完全な改訂版である。2001年、ベンダッツィは前衛映画史上最も偉大なクリエイターの一人についての本Alexeieff, Itinéraire d'un maître - Itinerary of a Masterを編集。世界初の長編アニメーションの作者キリーノ・クリスティアーニについての本もブエノスアイレスのEdiciones de la Florよりスペイン語で出版された。Society for Animation Studiesの創設者であり、9年にわたって国際アニメーションフィルム協会(ASIFA)の理事も務めた。ウッディ・アレンやメル・ブルックスなど、実写映画についての本も執筆している。

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「基本」というものが何かを言うのは難しい(私にとって? 皆にとって? 現在? それともオールタイム?)。「基本」が何かというのは文脈によって決定されるわけだし、すべての文脈は同じではない。私は常に、違うソースから採ってきたアイデアを組み合わせてきた。「アニメーションに直接関係する文献でなくてもよい」という注意書きがあったので、私個人がお気に入りで、私におって参照すべきと思われた本も含めている。