一般社団法人日本アニメーター・演出協会 実態調査プロジェクト委員会『アニメーション制作者実態調査報告書 2023』(一般社団法人日本アニメーター・演出協会、2023)
文化庁令和4年度「メディア芸術連携基盤等整備推進事業」として実施された「アニメーター実態調査」の調査結果。過去2009年、2015年、2019年の実態調査も含めアニメーター労働実態の基礎データである。
神村幸子『アニメーションの基礎知識大百科 増補改訂版』(グラフィック社、2020)
アニメーション制作の基礎知識を詳しく解説した旧著の増補改訂版。日本で発刊されているアニメーション制作関連書の中でもっとも汎用的と思われる。
増田弘道『アニメビジネスがわかる叢書① 2024版 アニメ産業構造論』(Kindle、2024)
「アニメビジネスがわかる叢書」の一冊目。アニメ産業がどのような構造となっているのかを解説。余り触れられることのない製作委員会のシステムやアニメ労働環境論についても詳細に解説している。
増田弘道『アニメビジネスがわかる叢書② 2024版 アニメ産業統計 現状と経緯』(Kindle、2024)
「アニメビジネスがわかる叢書」の二冊目。日本のアニメ産業の統計とその考え方を豊富なデータを使い解説。
増田弘道『アニメビジネスがわかる叢書③-A 2024年版 アニメ産業論〜定義と歴史 アメリカ編』(Kindle、2024)
「アニメビジネスがわかる叢書」の三冊目。アニメーション・アニメ・Cartoonの定義とアニメーション前史及びアメリカの産業史について解説。特にディズニーとピクサーの産業的成立や位置について詳しい。
増田弘道『アニメビジネスがわかる叢書③-B 2024年版 アニメ産業論〜定義と歴史 アメリカ編』(Kindle、2024)
「アニメビジネスがわかる叢書」の四冊目。日本のアニメの草創期から現在に至る歴史や、ほとんど語られたことのない日本のアニメの海外進出について解説。
大塚隆史ら『アニメができるまで』(飛鳥新社、2022)
劇場版『ONE PIECE』『プリキュア』シリーズの監督を務める著者がアニメ制作における、企画から絵コンテ、作画、背景、撮影、アフレコまでをマンガや豊富な図版を駆使して分かりやすく説明。
森祐治「テレビアニメにおけるメディアミックス展開の経済的根拠」(『アニメーション研究』23(1)、日本アニメーション学会、2023、3ー13)
テレビアニメ初期、ブーム勃興時、製作委員会成立後の3つの時代の事例から、一貫してテレビアニメがテレビビジネスのみに依拠するのではなく、メディアミックスによる事業展開が経済的前提となっていることを示す。
数土直志『日本のアニメ監督はいかにして世界へ打って出たのか?』(玄光社、2022)
スタジオジブリを支えた宮﨑駿と高畑勲、海外で評価される今敏、湯浅政明や細田守、新海誠など、日本のアニメ監督たちがなぜ世界に進出したか、アニメジャーナリストの第一人者である著者が解き明かす。
西位輝実ら『アニメーターの仕事がわかる本』(玄光社、2020)
市場規模2兆円に成長したアニメ産業界で働くアニメーター達には幾つもの問題が山積みとなっている。長時間労働・低賃金、人手不足の状況で、その働き方と現実を作画監督・西位輝実の実体験もとに解説。
吉邉尚希『ショートアニメーション メイキング講座 吉邉尚希works by CLIP STUDIO PAINT PRO/EX [増補改訂版]』(技術評論社、2022)
アニメーション制作の基本と実践に加え、制作フローを体系化しノウハウを公開。少ないカット数での動きやタメの作り方、なめらかな動作、そして得意とするエフェクトで今っぽさを演出するコツなどを解説。
小嶋慶祐『クリスタではじめる!アニメ制作術 現役アニメーターが教える基本&応用テク はじめの1冊シリーズ』(KADOKAWA、2024)
1991年に生まれて21歳で作画監督を務めた若手アニメーターが、今後アニメ制作において作画従事者にとって必須なツールとなるCLIP STUDIO PAINT EXのワークフローを開発。本書はそのノウハウ完結に示した入門書。
舛本和也 ほか『アニメシリーズ制作における 制作進行のマニュアル』(一般社団法人日本動画協会人材育成委員会、2020)
アニメスタジオのトリガー舛本和也氏執筆の「アニメーション制作における制作進行の座学本」からデータ提供を受け、動画協会人材育成委員会にて内容を検討し、制作進行の業務をマニュアル化したもの。
一般社団法人 日本アニメフィルム文化連盟『アニメータースキル検定(アニ検)公式テキスト トレス・タップ割り6級・5級編』(一般社団法人 日本アニメフィルム文化連盟、2022)
アニメーターのスキル検定のための公式テキスト。
永田大輔、松永伸太朗「女性アニメーターとして歩むキャリアとライフコース」(『ソシオロゴス = Sociologos』22(46)、ソシオロゴス編集委員会、2022、174-194)
女性アニメーターのライフコースに着目し、彼女たちが生活移行をめぐってどのような問題に直面しているのかを、アニメーターという仕事の特性に考慮した形で明らかにする。
一般社団法人日本動画協会『アニメーターの課題集 -動きの法則を理解するための第一歩-』(一般社団法人日本動画協会、2021)
本書は、アニメーターを目指している人間、また、若手のアニメーターの育成に向けて、日本動画協会人材育成委員会が、アニメーション作家の遊佐かずしげ氏に協力を仰いで作成したものである。
森祐治ら『メディアミックスのパワーと可能性 海外市場攻略のカギ握る投資流入 コンテンツ経済波及の可視化が呼び水に』(Strategy&/PwC Intellgence、2024、1-19)
日本独特のメディアミックスの経済波及効果は6.5兆円。漫画やゲームなど主要4分野の国内市場規模の約2倍であり、機関投資家を含む幅広い投資を呼び込むための試論。
小野晶子「『労働者協同組合』で多様な働き方を実現する」(『ビジネス・レーバー・トレンド』24(10)、2024)
働者協同組合法が2022年10月1日に施行された。本号ではシニア・フリーランスの新たな働き方の選択肢としての労働者協同組合の事業展開などをテーマとした、働者協同組合が秘める可能性を展望する。
森祐治「日本コンテンツの海外市場におけるシェア推計とその成長戦略への考察」(『デジタルハリウッド大学大学院紀要』24(11)、デジタルハリウッド大学大学院、2024、14-19)
新たな日本の基幹産業として位置付けられたコンテンツ産業は、2033年には4倍強の20兆円とされるが、寡占的地位にある米国などの状況を鑑みると難易度は非常に高く、包括的な戦略の策定と実施を説く。
日本のアニメ産業統計値を国内外に広く認知させるためのレポート。2009年から発刊され15回目の刊行となるが、このレポートで発表されるデータが現在日本のアニメ産業の公式数値となっている。なお、サマリーが日本動画協会のHPで公開されている。