黒坂圭太『新装版 画力デッサン 人体と女の子』(グラフィック社、2024)
アニメーターに必要なデッサン力を向上させる描画の練習について、アニメーション監督であり、長年に渡り大学でアニメーション実習の指導をしている黒坂氏の人物描画に対する教授法が満載。
庵野秀明、株式会社カラー『シン・仮面ライダー デザインワークス』(グラウンドワークス、2023)
庵野監督の特撮映画『シン・仮面ライダー』のキャラクターデザインには、アニメーション界で数々のデザインを手がけてきた出渕裕氏、前田真宏氏らが参画。さまざまな怪人のデザイン画、モデリングなどを掲載。
沖浦啓之ら『ユリイカ 2020年8月号 特集=今敏の世界』(青土社、2020)
その先の10年と副題が付けられた本書は、『千年女優』『東京ゴッドファーザーズ』『パプリカ』などの今敏作品がその後のアニメーション表現に与えた影響を演出、描画、作画技術などの側面から炙り出す評論集。
中野昭慶ら『ユリイカ 2021年10月号 特集◎円谷英二』(青土社、2021)
特撮技術は、デジタル以前の操演、ミニチュアワーク、光学合成、作画合成など、アニメーションと密接な関係がある。日本で独自に特撮技術を開発して数々の映画で特撮を手がけた円谷英二の研究論文集。
神村幸子『アニメーションの基礎知識大百科 増補改訂版』(グラフィック社、2020)
商業アニメーション制作のプロセス、スタッフの役割とその技術をていねいな解説と豊富な図版で解説。増補改訂版では現在の工程や技術に合わせて、デジタル作画の技術についての解説を加え、用語解説も改訂された。
mocha『背景作画 改訂版 ゼロから学ぶプロの技』(KADOKAWA、2021)
テレビアニメーションの現場で活躍している筆者が、背景美術の基礎技術だけでなく、制作にスピードが求められる商業制作の現場で培ったノウハウを作例の良し悪しを比較するなど具体的に教授する作画技術解説書。
スタジオジブリ『ジブリの立体建造物展 図録<復刻版>』(トゥーヴァージンズ 、2021)復刻版>
宮崎駿作品など、スタジオジブリのアニメーションに登場する架空の建物について、設計図、イメージボードなどの図版を多数掲載して、建築家・藤森照信氏が専門家の立場からその設計を分析して解説した図録。
竹内孝次ら『アニメーション 〈動き〉のガイドブック 伝わる表現の基礎講座』(ビー・エヌ・エヌ、2024)
文化庁の人材育成プログラム「アニメーション・ブートキャンプ」の講師陣による、動画の作画に関する詳細な技術解説書。ワークショップの教育方針や方法論や、著名アニメーターの対談も掲載。
堀貴秀『映画 ジャンクヘッド パンフレット』(MAGNET、2021)
本書はAmazonで販売中。たんに映画のパンフレットにとどまらず、豊富なメイキング写真が掲載され、人形制作、美術セット、コマ撮りの撮影技術の実践的な解説書になっている点が出色で、作り手の熱意が満載。
津堅信之『日本アニメ史 手塚治虫、宮崎駿、庵野秀明、新海誠らの100年』(中央公論新社、2022)
アニメーション史を専門とする筆者が、日本のアニメーションの歴史を俯瞰できるような構成でまとめた入門書。一般のアニメーション好きな読者よりも、アニメーションの研究や学修を行おうという読者に向けた内容である。
木村智哉『東映動画史論 経営と創造の底流』(日本評論社、2020)
東映動画の経営、制作、労使関係など、いろいろな側面からの取材や調査を細かく重ねて書き上げた「東映動画」の研究書。筆者のライフワークとして長年に渡り取組んだ研究が身を結んだ一冊。
桂英史ら『LOOP映像メディア学 東京藝術大学大学院映像研究科紀要〈Vol.14〉』(左右社、2024)
東京藝術大学大学院映像研究科の紀要として編纂された書籍。アニメーション関連の内容として同大学院教授のアニメーション作家、山村浩二氏による執筆やコンテンポラリーアニメーション入門のレクチャーなどを掲載。
玄光社企画編集部『機動警察パトレイバー35th 美術設定集』(玄光社、2024)
美術設定が精緻になり、作品のリアリティが向上した1980年代の代表作『機動警察パトレイバー』。その公式設定集では未掲載の初期OVA、テレビシリーズ、劇場版、後期OVAの美術設定の資料を編纂した書籍。
湯浅政明ら『ユリイカ 2022年7月臨時増刊号 総特集◎湯浅政明』(青土社、2022)
『マインド・ゲーム』、『映像研には手を出すな! 』、『犬王』などを手掛ける湯浅政明作品の魅力を監督のインタビューほか、評論家だけでなく監督作品に関わった俳優、音楽家などが解明する評論集。
小飼弾『子供の科学完全読本 1924-1945: 大正から昭和へ 100年前から読み直して学ぶ 教養としての科学史』(誠文堂新光社、2024)
バックナンバーを元に、メディアがどのような視点で科学的な興味関心を子どもたちに植え付けていったのかを読み解いた書籍。20世紀の映画やアニメーションの発達ともリンクするメカニックな図版が満載。
たひらみつお『子どもたちに映画を! キネコ国際映画祭ができるまで』(ホーム社、2023)
日本では馴染みがないヨーロッパの子ども向け短編アニメーションや映画などを積極的にセレクトし、30年間に渡り映画祭を続けてきた筆者が現在の10万人規模の動員数の映画祭に成長した経緯を語る。
布山タルト「高校の美術教科書でアニメーション題材はどのように扱われてきたか」(『アニメーション研究』22(1)、日本アニメーション学会、2022)
小学校の「図画工作」、中・高校の「美術」でアニメーションが取り上げられた授業の調査を1950年代から2010年代までの113冊の教科書で行い、44件の題材から分析し、その歴史と意義を検証した論文。
クラッター、ティア『The Color of Pixar:〈ピクサー〉絵作りのための色見本帳』(ボーンデジタル、2020)
ストーリー全体の流れを色彩の変化で表現する、ピクサーのプリプロダクション「カラースクリプト」。ピクサー19作品の色彩を分析することで、そのカラースクリプトの作業を知ることができる書籍。
樋口真嗣『樋口真嗣特撮野帳 映像プラン・スケッチ』(パイ インターナショナル、2022)
映画監督、特撮監督の樋口真嗣氏が映画のシーンや設定のために描画したアイデアスケッチを集めた本書は、特撮やアニメーション制作者を目指す若い人たちが、想像性とリアリティを考察するのに最適な書籍である。
2024年にアニメーション界の話題をさらった『ルックバック』の監督であり、『風立ちぬ』などのアニメーターなどを努めた押山氏による豊富な作画経験を基にしたアニメーション制作の技術解説書。