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アニメーションの本質に関する諸説を知るための10の文献

土居伸彰

「アニメーション」の意味は時代や文脈で大きく変わりますし、そもそもこの言葉自体にも歴史性があります。アニメーションを研究するのであれば、その前提を成り立たせる前提について考えることが必須です。「アニメーションとは何か?」 その問いに対する答えは複数あるし、今後もその答えは増えていくのだ、ということを認識するための文献を選びました。

Oreilly, David. Basic Animation Aesthetics, 2012.

気鋭のCGアニメーション作家が、デジタル表現の観点から伝統的なアニメーション観を破壊しようと試みた論考。アニメーションの本質とは有機性(生命の創造)ではなく一貫性の創造であるという観点は、デジタル以後を考えるうえで必須。

土居伸彰

関連リスト

アニメーション・ドキュメンタリーは1990年代後半から研究文献に登場し、現在では世界中で多くのアーティストがこのジャンルの作品を制作し、関連イベントも開催されている。以下のリストは、このジャンルの理解を深めた文献である。

アニメーション・ドキュメンタリーについて(アニメーションや映画、ドキュメンタリーの研究者によって)文章が書かれはじめたのは1990年代後半のことである。それらの多くは、アニメーション・ドキュメンタリーというものの存在自体に注意を向け、ドキュメンタリーとは何かということについてこれまで存在していた考え方に対し、どのようにフィットするかについて議論するものだった。その後10年が経ち、学者たちが再びアニメーション・ドキュメンタリーに興味を持ちはじめ、この題材についての本、記事、記述は増大した。将来、アニメーション・ドキュメンタリーをめぐる言説が新たな観点によって発展していく兆しであることを願うばかりである