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  • タイトル(英語)
Clay Animation Comes Out of the Inkwell: The Fleischer Animation and Clay Animation
  • 出版社
Jhon Libbey
  • ISBN
978-0861969005
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宮本裕子

フライシャー兄弟の最初の代表的なシリーズ・アニメーションである「インク壺」シリーズの一作、Modeling (1921)において、いかにクレイ・アニメーションが実写の空間と手描きアニメーションの空間の媒介として機能しているかを分析している。早い時期に書かれた学術的なフライシャー・アニメーション論であるだけでなく、実写と手描きの架橋に注目している点でも重要。

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ベティ・ブープやポパイで知られるフライシャー兄弟のアニメーションを理解するのに有用と選者が考える文献を挙げた。フライシャー兄弟の作品は、その都会的で大人向けの作風、人種的ジョークなどの特徴において、ディズニーと差異化される。それのみならず、初期アニメーションの特徴である実写と手描きの共存する性質を、様々な形で継続した映像的な混淆性にも特徴がある。フライシャー兄弟の映像的な性質は、東海岸の移民を中心としたアメリカ文化を基盤とするのみならず、今日における実写とアニメーションの境界の曖昧化にも通じる問題系を潜在させている。

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