政岡憲三とその時代 「日本アニメーションの父」の戦前と戦後
戦前の日本で本格的なトーキー漫画映画を手がけ、セル画という手法を導入し、戦時下の1943年に傑作『くもとちゅうりっぷ』を監督として作り上げた政岡憲三が歩んだ道から、「手塚治虫以前/以後」という枠組みには収まらない日本アニメーション史を照らす。
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「日本アニメーションの父」と呼ばれ、『くもとちゅうりっぷ』(1943年)で知られる政岡憲三の評伝。絵画から実写映画を経て、アニメーションへとたどり着き、戦後は絵本作家としても活躍した足跡を紹介している。
政岡の家計は裕福な地主で、美術学校で絵画を学ぶが、映画に魅了され映画制作に転向。日本初のトーキー・アニメ及びセル・システムを導入。アニメ制作の合理化を実行。萩原の著作は美術界の政岡とアニメ開拓の業績を評価。