動画のリアリズム:アニメーション化されたドキュメンタリージャンルの舞台裏の様子
アニメーションのツールや技術の発展や利用しやすさの向上により、映画製作者の間では、ドキュメンタリー映画製作とアニメーションの境界が曖昧になりつつある。アニメーション化のフォームに対する深い理解、不完全さ、魅力は、ストーリーを語り、事象を人間化し、安易に実写メディア向けに採用したのではない情報を伝える独自の方法を実写映画やアニメーションの監督に与えている。『Animated Realism』は、受賞作のアニメーション化されたドキュメンタリーのインスピレーションを与える舞台裏の様子を伝えるとともに、ドキュメンタリージャンルに適用されるアニメーション技術も示している。アニメーターやドキュメンタリー映画製作者は、アニメーションでビジュアルスタイルを発展させ、グラフィック小説をドキュメンタリーに変換し、ストリーテリングツールとして3Dアニメーションを使用する方法を、すべてアニメーション化されたドキュメンタリーの制作のコンテクストの中で学んでいく。『Animated Realism』には、自己洞察とインスピレーションとともに、『The Moon and the Son』でオスカーを受賞した監督ジョン・ケインメーカーのような業界の先駆者から、オスカーにノミネートされた『Waltz with Bashir and Chris Landreth』のアニメーション監督ヨニ・グッドマン、『Ryan』でオスカー賞を受賞したクリエーターのクリス・ランドレスまで、さまざまな人のインタビューも収載されている。美しくためになるイラストと未発表の素材(ストーリーボード、写真、手描きスケッチを含む)が満載で、インタビュー記事も散りばめられており、本書はアニメーター、学生、ファンにとって、インスピレーションと知識の類まれな宝庫である。アニメーション化されたドキュメンタリーの主要な作品から短編にフィーチャーしたウェブサイトも付録として付いており、アニメーター、学生、ドキュメンタリー映画製作者は、オスカー受賞作のアニメーション技術を分析して自身の作品に応用できるだろう。