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アニメ・マシーンとしてのフライシャーの回転式撮影台

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宮本裕子

フライシャー・スタジオが開発したステレオプティカルについて、アニメーション産業に先行するムーヴィングパノラマやリバー・ケイヴスのようなアトラクションとの関係から論じた文献。ステレオプティカル映像の詳細な分析の重要性もさることながら、より広いメディア的な文脈にこの装置を位置づける歴史的な仕事であり、フライシャー・アニメーション研究から派生する研究の射程の広さを示している。

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ベティ・ブープやポパイで知られるフライシャー兄弟のアニメーションを理解するのに有用と選者が考える文献を挙げた。フライシャー兄弟の作品は、その都会的で大人向けの作風、人種的ジョークなどの特徴において、ディズニーと差異化される。それのみならず、初期アニメーションの特徴である実写と手描きの共存する性質を、様々な形で継続した映像的な混淆性にも特徴がある。フライシャー兄弟の映像的な性質は、東海岸の移民を中心としたアメリカ文化を基盤とするのみならず、今日における実写とアニメーションの境界の曖昧化にも通じる問題系を潜在させている。

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