日本の映画館で上映された最初の(海外)アニメーション映画について
1933年、映画批評家の吉山旭光は、1909年の『ニッパールの変形』という映画が、日本の映画館で上映された最初の(欧米の)アニメーション映画であったと主張した。2001年にはアニメーション史家の渡辺泰が、1912年4月15日に東京の浅草帝国館で初演された『ニツパルの変形』という映画を挙げるも、この映画を特定するための詳細が十分ではないと述べていた。そして2012年12月、『ニッパルの変形』がエミール・コールの1911年の映画『LesExploits de Feu Follet (鬼火の冒険)』であり、他国ではrTheNipper’s Transformations (ニツパーの変形)』として上映されていたことを確認できた。本稿では、『ニッパーの変形』が日本の映画館で最初に上映された西欧のアニメーションであることが特定された過程を遡り、さらに「日本の映画館で上映された最初のアニメーション映画」作品として他にありうる候補について考察する。