日本のアニメーションにみられる心理学的依存:りんたろうを例にして
りんたろうのアニメーシヨン作品では御都合主義的なエピソードが多く描かれる。ドラマチックに描かれる大破壊シーンのために彼の御都合主義的な話しの展開を忘れてしまいがちである。御都合主義はまた心理学的依存によって成り立っている。彼の作品のなかの主人公を、困難な出来事のさなか、出会った人々ばかりでなく機械までもが助けだそうとする。しかし後年心理的依存の破壊的側面が描かれるようになった。時に登場人物は他者ないし機械との共生的関係を作り上げ、結果的に破滅する。りんたろうは主人公が危機を脱する背景をなす心理学的依存の表現に飽きてしまって、異様な依存関係あるいは依存関係の拒否を描くようになってきた。