動きのダイアグラム―ヤン・シュヴァンクマイエルとブラザーズ・クエイの短編映画に見る、動的な彫刻の形式としてのストップモーション・アニメーション
ジャン=リュック・ゴダールは、「映画は人生を撮る芸術ではない。映画は芸術と人生の間にある何かだ」(ラウド(Roud)による2010年のゴダールの伝記から引用)と言った。これは特にストップモーション・アニメーションに関して言えば真実である。ここで論じられる映画製作者、ヤン・シュヴァンクマイエル(Jan Švankmajer)およびブラザーズ・クエイ(Brothers Quay)は、見いだされた対象の潜在内容への魅力にとりつかれた。彼らは、忘れられたおもちゃ、捨てられた道具などは過去の体験の残響が含まれていると信じている。我々が触るオブジェには記憶が伝わるというシュヴァンクマイエルの信念を推定すると、クエイが夢のような映画を骨組みで理解する心霊的内容から発展させたように、彼の映画における操り人形としての見いだされた対象の操作は、潜在内容の想起および作り変えの手段となる。この論文では、アニメーターの選択された短編映画に関する事例研究を行い、動く彫刻ではなくストップモーション・アニメーションの実践を検証し、本質的に静的な媒体で固定された瞬間の象徴である彫刻や写真と、化石化された瞬間がよみがえる一時的な場所であるストップモーション・アニメーションとの複雑な関係をひも解く。