「レミーのおいしいレストラン」における音響的主観性と聴覚的遠近法
本稿は、『レミーのおいしいレストラン』からの諸例を用いることで、聴覚的遠近法を通じたキャラクターたちとの同一化を創出するため、音がどのように使われうるかを検証する。この聴覚的遠近法が生み出されるのは、距離を創出するためのマイクロホンの配置、位置を創出するためのスピーカーの配置、環境を創出するためのデジタル信号処理、我々を内部者もしくは外部者として位置づけ、なおかつ、キャラクターたちの内的な主観性を説明する主観的遠近法で、画面上のイメージを強化もしくは否定することを通してである。