映画的な収集――オスカー・フィッシンガーの『ミュンヘンからベルリンまでの散歩』における静止フレームの連続的な不連続性
ヴァルター・ベンヤミンの主張によると、写真によって触知可能なものになる「偶然ある瞬間」とは、映画においては存在しない。映画は、連続性と現存を生成する、捕らえどころのない瞬間の一時性に拠るものである。本稿はオスカー・フィッシンガーの1927年の実験短編映画『ミュンヘンからベルリンまでの散歩』が、写真と映画との不適合性を提示する方法で両者を組み合わせる一方、その不適合性を乗り越える手段としての新しい視覚言語(つまりラディカルな形式のアニメーション)をも作り出すことを明らかにする。本稿はフィッシンガーの作品を、アニメーションに対して、また、ワイマール時代およびそれ以降のアヴァンギャルドに対しての特別な貢献として検討し、収集、映画、写真、アニメーションの諸理論のための哲学的な含意を解明する。