コンクレート・アニメーション
この論文は、2007年3月2日から4日にかけてロンドンのテート・モダンにて開催されたシンポジウム「Pervasive Animation」での講演に基づくものである。その場での私の目的は、今日新たに出現しつつあるアニメーション実践のカテゴリーを記述し、その種々の傾向を、私自身の映画・本・インスタレーション制作の経験と比較してみることにあった。私がここで試みるのは、自分自身の個人的な芸術史とアニメーションにおける大きな問題の分析とのあいだにバランスをとろうとすることだ。「コンクレート・アニメーション」は、物質性とプロセスとに格段のフォーカスをあてる作品に言及する。それは、コンテンポラリー・アートの実践に先駆者をもちながら、片方の足を映画以前の遠い過去に、もう片方をデジタルおよび手製のアニメーションの未来へと向かう道に踏み出すものである。