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アニメーション・ビジネスを知るための10の文献

数土直志

アニメーション・ビジネスは、現在、国内外で活発にもかかわらず、それを論じる文献は驚くほど少ない。マネジメント・プロデュース、著作権、ファイナンス、海外からバランスよくと考えたが、良書は発表から年数が経ったものが多く、ここでは出来るだけ新しい文献でこれだけ読めばアニメーション・ビジネスを概観できることを趣旨に選んでみた。また、数字の裏付けが少ないとされる分野でもあり、統計資料に力点を置いた。

海部正樹、フレデリック・L・ショット、豊永真美、イアン・コンドリー、三原龍太郎、松井剛、数土直志「検証・COOL JAPAN 北米における日本のポップカルチャー」、『一橋ビジネスレビュー 2010年冬号 第58巻3号』(2010年)

米国における日本アニメ・マンガの受容を複数の著者が様々な角度から論じた。ビズメディア、バンダイエンタテインメントといった日系アニメ企業のビジネスケーススタディも掲載する。

ジェトロ・クリエイティブ産業課、ジェトロ上海事務所『中国コンテンツ市場調査(6分野) 中国アニメ市場調査』(日本貿易振興機構(ジェトロ)、2015年)

海外のアニメーション産業の状況分析は、ジェトロの調査に優れたものが多い。なかでも中国については統計や政治動向と内容が豊富。また東南アジア、中東、ラテン・アメリカなどの調査をカバーするのも貴重だ。

数土直志(すど・ただし)
ジャーナリスト

ジャーナリスト。国内外のアニメーションに関する取材・報道・執筆を行う。また国内のアニメーションビジネスの調査・研究をする。「デジタルコンテンツ白書」アニメーションパートの執筆など。大手証券会社を経て、2002年に情報サイト「アニメ!アニメ!」、その後「アニメ!アニメ!ビズ」を立ち上げ編集長を務める。2012年に運営サイトを(株)イードに譲渡。主著に『誰がこれからのアニメをつくるのか? 中国資本とネット配信が起こす静かな革命』(星海社新書、2017年)。

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