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東映動画設立以前の日本アニメーションを知るための10の文献

萩原由加里

最近ではインターネットで戦前から戦中にかけてのアニメーションを見られるようになっており、アニメーション史を研究しやすい環境になりつつある。それでもまだ、1917年に国産アニメーションが始まり、1956年に東映動画が設立されるまでの数十年間に関しては、十分な研究がされているとは言い難い。このリストでは東映動画設立以前の時代に注目し、制作者の自伝や評伝、さらに作品を理解する手がかりとなる書籍を取り上げる。

萩原由加里(はぎはら・ゆかり)
立命館大学他、非常勤講師

専門はアニメーション史。立命館大学・甲南女子大学、他、非常勤講師。立命館大学大学院先端総合学術研究科表象領域一貫制博士課程修了。博士(学術 立命館大学)。単著に『政岡憲三とその時代 「日本アニメーションの父」の戦前と戦後』(青弓社、2015年)。

関連リスト

戦前は今村太平の『漫画映画論』が唯一のアニメーションの文献だったが、最近は読むべき文献も増えた。資料的よりも筆者が時に興味深く読んだ文献を推薦させてもらった。選んだ10冊のほかにもL.マルティンの『マウス・アンド・マジック(上下)』や森卓也の『定本アニメーションのギャグ世界』なども忘れられない文献だった。筆者と共著の『日本アニメーション映画史』を自薦するのはおこがましいが、アメリカ議会図書館が同書を購入してくれたのは誇り。