山本早苗『漫画映画と共に 故山本早苗氏自筆自伝より』(出版・宮本一子、1982年)
北山清太郎の弟子でもあった山本早苗(本名:山本善次郎)の自伝。日本アニメーションの草創期から東映動画の設立にまで関わった人物ならではの回顧録となっている。
萩原由加里『政岡憲三とその時代 「日本アニメーションの父」の戦前と戦後』(青弓社、2015年)
「日本アニメーションの父」と呼ばれ、『くもとちゅうりっぷ』(1943年)で知られる政岡憲三の評伝。絵画から実写映画を経て、アニメーションへとたどり着き、戦後は絵本作家としても活躍した足跡を紹介している。
渡部慶一『アニメ職人 熊川正雄伝』(株式会社ジャンプ発行・編集、出版年不明)
政岡憲三の弟子でもあり、戦後は日本動画社などで活躍した熊川正雄の伝記。戦前、さらには終戦後のアニメーターたちの苦闘が窺い知れる内容になっている。
持永只仁『アニメーション日中交流記 持永只仁自伝』(東方書店、2006年)
人形アニメーション作家としても知られる持永只仁の自伝。戦時中、瀬尾光世の下で『桃太郎の海鷲』(1943年)の制作に携わった際の思い出、さらに満映への移籍を契機とする中国での制作活動についても語られている。
森やすじ『もぐらの歌 アニメーターの自伝』(徳間書店、1984年)
森康二(森やすじ)が『アニメージュ』に連載していた自伝を加筆・訂正した上で単行本化したもの。日本動画社時代の政岡憲三を始めとする、当時のアニメーション制作者たちの仕事ぶりが伺える1冊である。
『日本漫画映画の全貌 その誕生から「千と千尋の神隠し」そして...。』(「日本漫画映画の全貌展」実行委員会、2004年)
2004年に開催された同名の展覧会の図録。東映動画やスタジオジブリに加えて、下川凹天・北山清太郎・幸内純一らにより、1917年に日本のアニメーションがスタートして以来の歴史が貴重な資料を交えて紹介されている。
今村太平『漫画映画論』(第一芸文社、1941年)
映画評論家・今村太平による漫画映画、すなわちアニメーションの評論。アニメーションと日本の伝統芸術との比較を試みている。戦後も幾度となく復刻され、近刊では2005年に徳間書店から刊行されている。
セバスチャン・ロファ『アニメとプロパガンダ 第二次大戦期の映画と政治』(翻訳・古永真一・中島万紀子・原正人、法政大学出版局、2011年)
第2次世界大戦中の世界各国のプロパガンダ・アニメーションについての研究書。海外からみた日本アニメーション史であり、かつプロパガンダという分野に特化したという点でも興味深い1冊である。
フランク・トーマス、オーリー・ジョンストン『生命を吹き込む魔法』(翻訳・スタジオジブリ、徳間書店、2002年)
かつて日本のアニメーションは、ディズニーの作品を模範していた面があった。同時代のディズニー作品がどのように作られていたかを豊富な資料を交えて解説しており、日本アニメーション史を考える上でも参考となる。
1917年に3名の作家の作品が相次いで公開され、これが日本アニメーションのスタートとされているが、北山清太郎はその1人である。洋画からアニメーションへ、さらに多彩な事業にも進出した北山の足跡を追った評伝。