アニメーション研究のための
論文と書籍のデータベースサイト

推薦文献リスト

「戦い」は、アニメーション作品において最もポピュラーな題材であるが、それについて論じることは難しい。その理由の一つとして、「戦い」は、個人の欲望や共同体の成立根拠、時代の思潮といった様々な要因の混迷の中から発生するものだから、ということがあげられよう。本リストは、その混迷に対し何らかのアプローチとなりうる文献を選んだものである。掲載順は、その文献が題材としている作品の発表年を基準として決定した。

世界アニメーション史を知るための10の文献

ジャンアルベルト・ベンダッツィ

推薦文献リストは、研究・教育委員会が信頼の置ける研究者・専門家を選出し、それらの方々に執筆いただいたものである。ただ、そこでは挙げられていないにもかかわらず、アニメーション研究において重要な文献も存在する。このリストは、そのような文献をフォローアップする目的で研究・教育委員会のメンバーが作成を行った。(作成者:萱間隆、須川亜紀子、中垣恒太郎)

アニメライターと銘打ったが、要はTV・映画といったメジャー流通系アニメ(いわゆる“商業アニメ”)の歴史と制作技術を手っ取り早く押さえる11冊という趣旨である。作品個別のムック、雑誌などにも見逃せない記事は多いが、あくまで基本が理解出来る本ということでセレクトした。

これは、日本におけるファン世界に関する議論に貢献する10冊の英語版書籍のリストである。このリストには研究論文や編纂された論文集も含まれる。そのうちほとんどは、人物について、また人物とメディアや資料とのかかわり、または日本でのファン世界の社会的側面に焦点を当てている。そのうち何冊かは日本を飛び越え、世界の中の日本のメディアと資料に関わるファンの行動を研究している。将来的には、これらの文献は、ファン世界に関する日本語版書籍および研究分野としてのファン研究とのより明示的で持続的な対話をもたらし、言語、学問、分野などの境界を越える可能性がある。

最近ではインターネットで戦前から戦中にかけてのアニメーションを見られるようになっており、アニメーション史を研究しやすい環境になりつつある。それでもまだ、1917年に国産アニメーションが始まり、1956年に東映動画が設立されるまでの数十年間に関しては、十分な研究がされているとは言い難い。このリストでは東映動画設立以前の時代に注目し、制作者の自伝や評伝、さらに作品を理解する手がかりとなる書籍を取り上げる。

アニメーションの制作現場や、各大学・専門学校での学生教育や人材育成の中で、アニメーションを学ぶ上で必要なスキルなどを幅広く身につけて行けると思える書籍を中心にセレクトしてみました。
※いがらし氏は2018年度の研究・教育委員会のメンバーであるが、現状のデータベースは実作に関する文献の登録が少ないため、研究・教育委員会のリストとは別立てでそのような文献の選出を依頼した。

「絵の動かしかたが学べる教本リスト欲しい」
アニメーションを教えていると、このような質問をしばしば受ける。そこで、実践知につながる参考文献リストを作成した。選者は、30年以上にわたる制作経験から本リストを呈示したが、これらの資料を、「みる」「わかる」「つかえる」という各学習段階で活用することで、「動かすこと」に関する実践知が身につき、学習者の創作活動にとって有用な土壌となることを希望している。

当初「日本のアニメーション学を形成してきた10の文献」を考えたが、1980年代初めに至る黎明期に参照された文献と改めた。(1)1960年代前半迄の訳書を含む当時“古典的”位置付けのもの、(2)アニメーションプロパーが基本図書とし伝説的なF&FFなど同人の流れにあるもの、(3)実験映画・実験アニメーション、創作関連、(4)映画史・アニメーション史関連、(5)基盤の一つ映画学・映像学の文献の5グループ(+xは書名のみ)。

3DCG全般として歴史・産業・技術についての書籍を選出し、CGアニメーションに関しては世界を代表するピクサー関連書籍と日本のCGアニメーションを理解する上で必要な書籍を選出した。

アニメーション・ドキュメンタリーについて(アニメーションや映画、ドキュメンタリーの研究者によって)文章が書かれはじめたのは1990年代後半のことである。それらの多くは、アニメーション・ドキュメンタリーというものの存在自体に注意を向け、ドキュメンタリーとは何かということについてこれまで存在していた考え方に対し、どのようにフィットするかについて議論するものだった。その後10年が経ち、学者たちが再びアニメーション・ドキュメンタリーに興味を持ちはじめ、この題材についての本、記事、記述は増大した。将来、アニメーション・ドキュメンタリーをめぐる言説が新たな観点によって発展していく兆しであることを願うばかりである

日本のアニメーション産業は複雑で相互に入り組んだシステム・枠組み・ネットワーク・プロセスによる多面的でユニークなシステムである。アニメが世界各地で起こした社会文化的な影響については多くのことが書かれているし、それぞれの作品の主題分析も多く扱われているが、実際のところ、表面的な部分を超えた諸要素をより適切に理解するためには、さらなる議論が必要とされる多くの側面がいまだに残されている。このリストは、アニメ産業の内部の仕組みや特質について光を当て、より完全なイメージを作り上げるための助けになるであろう情報源である。

「基本」というものが何かを言うのは難しい(私にとって? 皆にとって? 現在? それともオールタイム?)。「基本」が何かというのは文脈によって決定されるわけだし、すべての文脈は同じではない。私は常に、違うソースから採ってきたアイデアを組み合わせてきた。「アニメーションに直接関係する文献でなくてもよい」という注意書きがあったので、私個人がお気に入りで、私におって参照すべきと思われた本も含めている。

アニメーション・ビジネスは、現在、国内外で活発にもかかわらず、それを論じる文献は驚くほど少ない。マネジメント・プロデュース、著作権、ファイナンス、海外からバランスよくと考えたが、良書は発表から年数が経ったものが多く、ここでは出来るだけ新しい文献でこれだけ読めばアニメーション・ビジネスを概観できることを趣旨に選んでみた。また、数字の裏付けが少ないとされる分野でもあり、統計資料に力点を置いた。

私が選者だということは、「アカデミズム」とか「学術的」とかとは関係ないリストになるということである。つまりは、アニメーション史よりも「アニメ史」を知るための文献を選び、従来、学術的立場から注目されてこなかったと思われる商業系の文献に注目した。ただし選者の著書は除外し、定番と言えるような文献も、あえて外したものがある。なお、リストは文献の刊行年順である。

アニメーション作品の視聴がきっかけ・動機となり、その作品の舞台地・モデル地あるいはゆかりの地を訪問する行為、いわゆる「アニメ聖地巡礼」という語は、今やすっかり人口に膾炙した。また、国際的にもファンのみならず研究者の間で、日本における「アニメ聖地巡礼」の動向に注目が集まりつつある。ここでは、アニメ聖地巡礼を構造的に理解するうえで有用と思われる入門書を、ツーリズム研究分野を中心に内外から集めた。

アニメーションを視聴する人にとって、アニメーションから受ける心理学的影響は様々である。発達段階に応じてのアニメーション受容があり、こころの問題を抱える人にとっての支援的な役割も持つ。その一方で、作り手側においても心理学的な発達的なテーマが影響している側面もあり、そうした側面を心理学的に紐解くことも可能である。さらには現代のこころの問題を紐解く手がかりとしてアニメーションを捉えることも可能である。