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よこにらみのアニメーション――映画研究との接点――

本稿は、日本アニメーション学会の2013年度全国大会における筆者の基調講演に基づいている。ここでは、その後半を中心に5つの主題を持ってまとめておきたい。第一は、映画とアニメーションの両者に共通する特徴があるにもかかわらず、なぜ映画評論・研究はアニメーションを正面から論じてこなかったのか、その原因にふれた。第二に、アニメーションにおける重力の問題。1932年、寺田寅彦は「映画には質量がない」と言ったことがある。彼の映画論はアニメーションの特質にも当てはまると思われる。第三に、もう一つの絵巻論。1934年、寺田寅彦は絵巻物と映画との類似点を挙げながら、享受者の二重性を指摘した。この点もアニメーションに応用できたと思われる。第四に、静止と運動。クラカウアーはアニメーションを美術の領域に委ねた。彼は、映画カメラが物的世界をとらえて露わにする、そこに映画の本質が存在すると考えたからである。最後に、アメリカニズム・速度・奥行と側面移動。日本アニメーション(アニメ)を念頭に分析・組み立てられていくラマールの理論は普遍化をめざしており、文化の固有性論は退けられるが、経済・社会構造と文化創造は切り離せないのではないだろうか。

  • タイトル(英語)
Animation Studies Seen from Aside: Some Points of Contact with Film Studies.
  • 発表年
2014年
  • 著者
  • 掲載誌
アニメーション研究
  • 掲載誌巻号
15(2)
  • キーワード

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