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モジュラージャンル? ポスト宮崎「ジブリ映画」受容の問題点

宮崎駿の引退、高畑勲の死、そして彼らの後継者問題。これらがいつまでも亡霊のようにつきまとう中、スタジオジブリは長い間重要な岐路に立ち続けてきた。数十年にわたり日本のアニメーションスタジオとして高い評価を得てきたジブリは、こうした変化に対応するべく3つの主要戦略を掲げてきた。新たな若手育成のための徒弟制度、国内外での共同制作、そして制作部門の解体である。このアプローチは、ジブリという進化し続けるブランドのアイデンティティおよび「ジブリ映画」の意味するものにも影響し、結果としてジブリ映画の国際的な評価に混乱を招いた。学術的アプローチにおいても、ジブリの近年の変化には対応しきれていない。「ジブリ映画」をブランドの産物、あるいは宮崎・高畑の作品として概念化することが有用であることは実証されてきたが、この枠組みがこのような変化に対応するには不十分である。よって本稿では、近年の「ジブリ映画」を理解するための新しいアプローチを提案し、ブランドやジャンルとして扱うのではなく、モジュラー線に沿って制作されてきていると主張する。

  • タイトル(英語)
A Modular Genre? Problems in the Reception of the Post-Miyazaki ‘Ghibli Film’
  • 発表年
2021年
  • 著者
  • 掲載誌
Animation: An Interdisciplinary Journal
  • 掲載誌巻号
16(3)
  • 掲載誌ページ
207-220
  • 掲載誌ウェブページ
https://journals.sagepub.com/doi/full/10.1177/17468477211049360
  • DOI
10.1177/17468477211049360

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