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表象なき共同作業——モーション&パフォーマンス・キャプチャーにおける労働問題

古典的な映画理論の主題といえば、実写とアニメーションの区別だの、映画的な演技の定義だの、スター・システムの形成と影響だのが挙げられるだろう。こういった主題は、デジタル時代のアニメーションにおける労働をめぐる言説をいまだに整えており、また他方でかかるデジタル時代の言説によって古典的な主題も捉え直されている。本稿は第一部において、現代ハリウッド映画におけるモーションキャプチャに焦点を絞り、広告素材や一般の議論の中で、こうした映画制作方法に対するアニメーターの貢献がないがしろにされるとともに、スターという人格の演技に対する過剰な強調がともなう点を歴史的に検討する。またそのように検討することで、現在の産業における労働政策と権力関係を決定づけている実践と至上命令に光を当て、その背景を解き明かしてみたいと考える。第二部では、ジェンダー関係の問題およびジャンダーを基準にした表象のヒエラルキーの問題が、モーション&パフォーマンス・キャプチャーの作業現場をめぐる議論との関係で問われる。モーションキャプチャ産業の労働政策における両面性を強調し、それについて熟考するために、ここで行っていくのはフェミニズム的な読解である。モーションキャプチャでの映画制作では一種の公民権剥奪が行われており、それとは別個の問題ではあるが関連したものに、デジタル時代における覗き趣味の問題と女性の演者のオブジェ化が横たわっている。たとえば、『ベオウルフ/呪われし勇者』(ロバート・ゼメキス、2007)や『アバター』(ジェームズ・キャメロン、2009)のような映画作品や、『Beyond: Two Souls』(クランティック・ドリーム、2013)のようなゲームにそれは顕著である。最後に、筆者は第三部において、労働の周縁化と消去に関し、このような相互に関係した政策があることを強調するが、それは、モーションキャプチャを共同作業と見ることが不適当である点を強調するためであり、モーションキャプチャ研究に向けた批判的アプローチを概念化しなおす必要を訴えるためである。

  • タイトル(英語)
Collaboration without Representation: Labor Issues in Motion and Performance Capture
  • 発表年
2016年
  • 著者
  • 掲載誌
Animation: An Interdisciplinary Journal
  • 掲載誌巻号
11(1)
  • 掲載誌ページ
40-58
  • 掲載誌ウェブページ
http://journals.sagepub.com/doi/full/10.1177/1746847715623691
  • DOI
10.1177/1746847715623691

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