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「僕を閉じ込めないで」——『ウェイキング・ライフ』と『スキャナー・ダークリー』における曖昧な線

この論文は、『ウェイキング・ライフ』と『スキャナー・ダークリー』の映像スタイルの評価を試みる。その際、これらの映画の美学の分析を主として行う。これらの作品で用いられるロトショップは、キャラクターや主題を描き出す表現の手段であり、それによってアイデンティティは、固定・安定したものというより、多面的にスケッチされるようなものとなる。しかしながら、美学的に境界線と戯れることは、トラブルを抱えたアイデンティティへの主題的な先入観を詳細に記述するための手段以上の反響を孕んでいる。この二本の映画においては、そういった表象が重要となっているわけだが、一方、絶え間なく動く、横滑るキャラクターの輪郭線は、実写とアニメーションの境界線が曖昧なものとなっていることへの言及でもある。本稿の議論の中心となるのは、これらの二本の作品を理解するにあたってのアニメーション化された線の利用である。線は、ロトショップの利用と、この二本の映画が提起する諸問題を探るための弾みとなるのだ。本稿は、以下の主要なアイデアについて考察する――アニメーション化された線とその美学的分析、ロトショップというテクノロジー、断片化されたアイデンティティの表象、フォトリアルな映画とアニメーションのあいだの関係(とりわけナラティブやスペクタクルに焦点を当てる)。著者はテクノロジーとスペクタクルというコンテクストの内部でロトショップのことを提出する。産業上の実践を考慮にいれることにより、ロトショップのような技術的革新がいかに実写映画に変容をもたらすのかを評価することが可能になるのである。

  • タイトル(英語)
‘Don’t Box Me In’: Blurred Lines in Waking Life and A Scanner Darkly
  • 発表年
2012年
  • 著者
  • 関連作品
  • 掲載誌
Animation: An Interdisciplinary Journal
  • 掲載誌巻号
7(1)
  • 掲載誌ページ
7-23
  • 掲載誌ウェブページ
http://anm.sagepub.com/content/7/1/7.abstract
  • DOI
10.1177/1746847711429632
  • キーワード

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